2003 Vol.1 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2003年11月30日発行
最適内挿法を用いたERS-1人工衛星海上風データの格子化
加古真一郎・久保田雅久
要 旨
能動型マイクロ波観測装置(AMI)を搭載した人工衛星ERS-1は軌道の片側500km の範囲しか観測することが出来ないた め,一日で全球の約43%をカバーするのみである.このような観測密度の低いデータを単純に平均して格子データを作成する と欠測値の多いデータセットとなり,全球規模での解析にそのまま用いる事は非常に難しい.そこで本研究では2次元最適内 挿法を用いて欠測値の補間を行い,ERS-1人工衛星海上風データから全球1°× 1°格子のデータセットの作成を行った.本研 究では,作成したデータセットの精度を確かめるために他のプロダクトも含め,現場観測値との比較を行った.その結果,本 研究作成のデータセットは,短周期の変動を他のデータセットよりも良く捉えている事が分かった.また,他のデータセット との相関の低さ(0.4程度)が見られた赤道域においても,TAO/TRITON ブイとは良い一致を示し,本研究で作成したデー タの赤道域での精度の高さ示した.