2003 Vol.1 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2003年11月30日発行
プレジャーボート用アンカーの把駐性能に関する実験的研究
佐藤治夫
要 旨
本論文はプレジャーボート用アンカーの把駐性能を,アンカーの把駐力と底質(含砂率)との関係から検討することを目的 としている.実験では5種類のアンカー(ローター・ウイング・アンカー,デルタ・ハイテン・アンカー,デルタ・ストッ ク・アンカー,ダンフォース型アンカーおよびデルタ・クイック・アンカー)の把駐性能について比較検討を行った.把駐抵 抗(把駐力)は,アンカーを小型船(19トン)の船尾より曳引し,その曳索張力をロードセルで測定し求めた.その結果,泥 質土および砂泥質土の底質で,デルタ・クイック・アンカーが一番大きい把駐抵抗を示した.また,ローター・ウイング・ア ンカーは砂質土,砂泥質土および泥質土の底質すべてで高い把駐抵抗を示した.このことからローター・ウイング・アンカー は,プレジャーボートに装備すべきアンカーと考える.