2004 Vol.1 No.2「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2004年3月30日発行
地盤材料の破壊時における動的応答に関する実験的研究
アイダン・オメル
東海大学 海洋学部 海洋土木工学科
要 旨
岩盤構造物の破壊や地震に伴なう地盤の振動に対して重要であるにも係わらず岩盤の破壊時の動的挙動について研究例はほ とんど見当たらない.著者は破壊時の地盤材料の動的挙動に対する理解と知識を深めるため異なる研究機関の試験機を用いて 様々な地盤材料について室内試験を行った.本論文で,まず最初に実験に用いた各機関の試験機と試験方法を紹介している. そして,各機関の試験機を利用して行った破壊時における地盤材料の動的挙動に対する試験結果を説明し,その工学的および 科学的意味あいについて論じている.得られた試験結果から試験装置の運動している側に接した供試体の加速度応答が静止し ている側のものに比べて大きくなることが明らかになった.このことは地震時に断層の運動する上盤で観測されている計測結 果と類似し,実験的に観測結果を裏付けることができたと判断できる.また,実験結果は岩盤構造物の山はね現象における破 片の到達距離を求めるための基礎データになる.