2004 Vol.2 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2004年7月31日発行
三保海岸における航空レーザー測量の精度検証
横山心一郎・弘松峰男・金子純二・秋山幸秀・根元謙次
要 旨
海岸浸食が続く静岡県三保海岸において,高密度な地表面高度の数値情報を2003年4月および9月に航空レーザー測量(以下LS)によって取得し,同時期に実施した水準測量との比較によって砂礫海岸でのLS の精度と有用性を検証した.三保海岸には養浜や浜崖が存在する.従って調査区域を浜崖の影響を受けない,1平坦面,2傾斜面に分類して比較した.LS には一様な水平位置の誤差があることがわかり,その誤差を調整し標高差を算出したところ,4月の標高差は平坦面で11cm,傾斜面で12cmであった.9月の比較では4月と同様の水平位置誤差が見られ,平坦面・傾斜面ともに標高差は4cmであった.平坦面と傾斜面は同等の計測精度が得られ,標高差が航空レーザー測量の計測誤差と考えられる.水平位置誤差は,GPS,IMU,レーザープロファイラの複合誤差からなり,補正に用いた地上基準点の座標誤差が加わる.