2004 Vol.2 No.2「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2004年8月31日発行
70年経過した鉄筋コンクリート製車道橋の調査
鈴木英高・迫田惠三
要 旨
近年我が国では構造物の維持管理が注目されており,構造物を補修・補強し耐久性維持が今後多く行われると予想され る.近年では施工不良などの問題により構造物の早期劣化が問題となっているが,建設されてから長期間経過した構造物の耐久性について調査することは,コンクリートの性質や今後の補修内容や施工を行うにあたり有益であると考えられ る.本研究調査した構造物は,約70年経過しており,繰り返し荷重による疲労や,様々な劣化要因などにより化学的にも 劣化していることが考えられる.そこで,本研究ではこの70年経過した構造物の橋脚部分からコンクリートのコア供試体と鉄筋を採取し調査を行った.その結果,コンクリート部の圧縮強度は28.3N/mm2の強度が見られ,70年経過したコンクリートとしてはかなり高い強度が見られた.しかし,中性化深さは推測値よりも大きな値を示し化学的には劣化が見ら れた.また,採取した鉄筋は顕著な劣化は見られず鉄筋の腐食は微量であった.総合的に判断して70年経過した構造物のコンクリート部分は十分な強度を示しており,鉄筋についても過度な腐食は見られなかった.