2005 Vol.2 No.3「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2005年3月30日発行
数学教育における改革の試みSPP
教員研修実践から
渡辺 信
要 旨
数学教育の将来を眺めた時に,多くの問題点が山積し明るい見通しはない.このような時代の中で,文部科学省が推進 する数学教育授業の改善に積極的に協力することは重要である.実験的な要素を加えた数学授業の試みを次の3点から実 施検討することとした.

(1)科学館・博物館との連携の数学教育の存在について
−「数学を見る自由な目」の必要性
(2)具体的な数学の内容に触れ,抽象化思考の訓練を前提にすることについて
−具体的な数学から抽象へのモデルを作る必要性
(3)グラフ電卓を積極的に活用する数学教育について
−グラフ電卓で考える教育を作り出すことの大切さ

数学教育は抽象的な内容を黒板を用いて,「紙と鉛筆」による学習になっている.このような従来の教育方法を改める視 点を求めたのが今回の授業改善であった.数学教育をいかに楽しく有意義にするかは,教育を行う現場にとって重要な課 題である.今回の改革の試みは,現在の数学教育に対する問題解決の一つの方法として社会に提案できることであると考 えられる.