2005 Vol.3 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部 2005年7月31日発行
自動水質浄化装置の開発
井上智裕・福江正治・上原弘次・大木和夫・山ア正一・岡将 都
要 旨
自然的・人為的要因により河川や陸域から排出される懸濁粒子は,様々な化学物質を吸着して存在している.懸濁粒子 が,閉鎖性水域へ流入すると.透明度の低下や富栄養化など水質悪化の原因となる.また,それらが沈降堆積すると海底 土を形成する.このように,懸濁粒子は,水質のみならず底質にまで悪影響を及ぼす.そのため,閉鎖性水域の環境修復 を図るには,懸濁粒子の除去が重要となる.
そこで本研究では,懸濁粒子を人為的に除去・回収する装置について検討した.本研究で開発した装置は,浮体式上向 流自動濾過方式で,濾過槽上部からポンプで排水することによって,濁水を濾過槽下部から濾過槽を通過させて浄化させ る.濾材は市販の4号硅砂を用い,濾材の厚さは7cmとした.なお,濾材の断面積は0.13平方メートルである.濾材の目詰まり 解消方法は,逆洗浄方式を採用した.また,本装置の電力は,市販の太陽電池モジュールから供給した.
本装置を用いて,2005年3月7日から清水有東坂池において連続濾過実験を行い,本装置の浄化能力について調べた.本 装置の浄化効果は,SS,化学的酸素要求量(COD)から評価する.その結果,実験開始から1日で約30% のSS が除去 された.
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