2005 Vol.3 No.2「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2005年11月30日発行
駿河湾における音響散乱体の時空間変動
─係留式ADCPでプランクトンの挙動を観測する試み─
勝間田高明
要 旨
駿河湾口東部で係留式上向きADCP を用いた流動観測を行っている.駿河湾における動物プランクトンの時空間変動 を把握する目的でADCP により得られた散乱強度データを解析した.その結果,散乱強度は表層で大きく下層で小さい 鉛直分布を持ち,春と秋に急激に増大した.音響散乱体は顕著な日周変動を持ち,夜間に表層に集中的に分布することが 分かった.さらに音響散乱体は日の出と共に下降し,日の入りと共に上昇する.これは動物プランクトンの日周鉛直運動 と考えられる.また動物プランクトンは春と秋に増加する季節変動を持っていた.