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2005 Vol.3 No.2「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部 2005年11月30日発行 |
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高解像度データを用いた北西太平洋における
海上風と海面水温場の関係に関する研究 |
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要 旨 |
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人工衛星散乱計データより高空間解像度の海上風/海面応力格子データを作成し,北西太平洋海域における新たな大
気−海洋相互作用機構に注目した解析を行った.新しい海上風/海面応力のデータセットは,日本南方の黒潮流域付近に
おける詳細な特性を検出するために,従来(1°格子)より高い空間解像度(0.5°格子)を有する.
解析の結果,12ヶ月平均場(2003年3月〜2004年2月)において,日本南方の黒潮域に相当する流路上付近に正の海面
応力の回転鉛直成分(curlτ)および高風速場が認められた,風速およびcurlτと水温偏差の相関を求めると,有意な正
の相関を示した.これらより,水温偏差の高い海域で正のcurlτ,即ち下層大気中における低気圧性運動が励起され,鉛
直混合が強化された結果,上層から下層への運動量輸送により海上風が強化されるという,海洋から大気への新たな大
気−海洋相互作用機構の存在が示唆される.同様な比較解析が異なる時間平均場に対して成されたが,curlτもしくは風
速場と海面水温偏差との間に明確な関係は見られなかった. |
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