2005 Vol.3 No.3「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2006年3月31日発行
錨の把駐性能に関する一考察
佐藤治夫
要 旨
本論文は,船舶の安全錨泊に寄与できるように,大型船用アンカーの把駐性能をアンカーの把駐力と底質(含砂率と粒 径)との関係から検討することを目的としている.実験では3種類の小型アンカー(JIS-A 型ストックレスアンカー, JIS-B 型ストックレスアンカー,DA-1型ストックレスアンカー)の把駐性能について比較検討を行った.把駐抵抗(把 駐力)は,空中重量15kg の小型アンカーを小型舟艇(19トン)の船尾より曳引し,その曳索張力(把駐抵抗)をロード セルで測定し求めた.その結果,DA-1型ストックレスアンカーは泥質土で最も高い把駐抵抗を示し,砂質土ではJIS-B 型ストックレスアンカーとほぼ同じ把駐抵抗を示した.また,JIS-B 型ストックレスアンカーは砂質土で最も高い把駐抵 抗を示した.しかしながら,JIS-A 型ストックレスアンカーは全ての底質で他の2錨に比べ低い把駐抵抗となった.こ のことから安全錨泊をするためには錨泊予定海域の底質と自船のアンカーの把駐性能を十分に知ることが重要であること がわかった.