2006 Vol.4 No.3「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2007年3月31日発行
新刊紹介:有明海の自然と再生
宇野木早苗著
嘗て豊饒の海と謳われた有明海で,自然環境,生態系,そして漁業が急速に崩壊してきている.本書では,本学海洋学部 教授,日本海洋学会沿岸海洋研究部会長などを歴任し,現在,日本海洋学会名誉会員である著者が,一刻も猶予できない有 明海の自然環境の再生を願って,ここでの自然機構と環境変化の現状を科学的な立場で定量的にしかも平易に解説した上 で,環境科学的立場から,政治,行政,司法に環境回復への責任を問うている.以下に紹介するように,新しく“海洋環境 士”として沿岸環境の保全を担う資格教育を取り入れた本学海洋学部においては,資格取得を目指す学生,これに携わる教 員の必読の書であり,好適な教科書となろう.