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2007 Vol.5 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部 2007年7月31日発行 |
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D.H.ローレンス思想と老荘思想との共鳴点に関する一試論―その3 |
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要 旨 |
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「D.H.ローレンスと老荘思想との共鳴点に関する一試論―その1」では,老荘思想の「道」とD.H.ローレンスが語る
宇宙の流れ(flow)あるいは自然界の流れが共鳴することを論じた.「その2」においては,老荘思想の非情とD.H.ロー
レンス文学における非人間的,非人格的要素との共鳴点を論じた.本論「その3」では,知識・観念・意識に関する両者
の共通点を論じている.
D.H.ローレンス,老子,荘子は自然界に生を受けた一生命体として,自然界の回流の中でその生を全うすることを希求したのであった.彼らにとって,過剰な知識・観念・自意識・賢さかしらな意識は,生の成就を妨げるものであった.D.H.ローレンスは,己の肉体を抱え屈託なく無心に流れる自然界の生命体を愛し,自らも自然界の流れに合流することを希求した.老荘思想は,無心になり,森羅万象を生成消滅する「道」に同化することを希求したのであった. |
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