2008 Vol.6 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2008年03月31日発行
2007年三重県亀山地震の特徴

その地震動の特性および亀山城の城壁崩壊について
アイダン・オメル
東海大学海洋学部海洋建設工学科
渡嘉敷直彦
琉球大学工学部環境建設工学科
杉浦乾郎
飛島建設株式会社名古屋支店
要 旨
亀山地震は日本時間で2007年4月15日(平成19年4月15日)12時19分に発生し,気象庁によるそのマグニチュードは5.3であった.地震は既存に知られている断層にそって発生し,震源地域には高い周波数特性を持つかなり強い地震動が観測された.固有周期が短い家屋などへの影響が大きかったが,大半の土木構造物・建築物に被害は発生しなかった.盛土の崩壊や沈下などが鈴鹿川にそって起きた.また,レストランやスイミングプールの天井パネルが落下し,それらの耐震性に問題があることが明らかになった.1590年に建てられた亀山城の石積北壁が崩壊した.本論文では2007年亀山地震の特徴を説明し,その強震記録についての分析および解析結果について述べている.また,K-NET の亀山観測点で計測された強震記録を用いて,亀山城の北壁の崩壊要因とその移動量を解析的に求めることができた.