2008 Vol.6 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2008年03月31日発行
流木と製材端材を燃料とした木質バイオマスガス化発電装置の検討
田中博通
要 旨
静岡県の本学海洋学部近隣において発生する流木や製材端材等の木質未利用資源を燃料とした木質バイオマスガス化発電装置を海洋学部校内に設置し,発生した電力や熱を校内施設で使用する事業の実証試験事業調査を行った.この調査研究により下記の結果を得た.

大井川から富士川までの想定する地域で,無償で本学海洋学部まで持ち込める製材端材等木質未利用資源の発生量を調査した結果,一日当たり47.8tとの結果が得られた.大井川,安倍川,富士川及び海岸で発生する流木(一日当たり)25.8t と合わせ,一日当たり73.6t が供給可能との結果が得られた.

電力・熱の供給先として,本学海洋学部の1〜10号館及び東海大学附属翔洋高校を想定した.施設の使用電力と熱量を基に,本学校内における設置場所,配置図,電力システム系統図,熱供給システム系統図,排水処理装置フローズを作成し,システム全体について検討した.導入施設案としては,施設案1が発電能力1,000kW,熱供給能力1,100kW(総合効率60%),施設案2が発電能力500kW,熱供給能力1,100kW(総合効率84%)とした.