2009 Vol.7 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部 2009年03月31日発行
人工衛星データと漁船漁場データを用いた
カツオ漁場の適水温予測の試み
原雄一郎・加藤登・ケダーナッシュ・マハパトラ・岡田喜裕
要 旨
カツオ漁場と海表面水温(SST)の分布の間には強い関連性があり,漁場は水温変化の激しい潮境に分布する傾向が あると報告されている.本研究では短期間でのSSTとカツオ漁場の分布変動の関連性を調べるため,三陸沖と東海沖の 2地点について各々2001年9月と2005年4-5月の期間を対象に重回帰分析を行った.分析には10日間継続して漁場位置 と現場のSSTを記録したQRY データを使用した.11日目の現場のSST を目的変数とし,これを抽出するための説明 変数をジュリアン日(x1),緯度(x2),経度(x3)とした.人工衛星(NOAA-AVHRR/MODIS)より得た11日目の SSTの高分解画像を使用し,重回帰分析により予測したSST画像と比較を行った.その結果,カツオ漁場の2001年およ び2005年とも±1.0度の範囲において高い割合(98%・74%)で一致したことから,10日程度の短期間におけるカツオ漁 場と海表面水温の分布には,連続性(関連性)があることが明らかとなった.また予測したSSTの幅は現場のSST の 幅より狭く,すなわちこれがカツオ漁場形成の適水温帯であり,時期と場所によって変動することが明らかとなった.
全文PDFはこちら(1.3MB) >>>
TOPへ戻る
<閉じる
>