2009 Vol.7 No.2「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2009年09月30日発行
振動下における岩盤斜面のたわみ性トップリング破壊に関する
実験的研究およびその安定性評価に対する理論的考察
アイダン・オメル
東海大学海洋学部建設工学科,静岡
メディ・アミニ
Tehran University, School of Mining Engineering, Tehran, Iran
要 旨
たわみ性トップリング破壊は岩盤斜面の破壊様式の中で重要な破壊様式の一つである.この破壊様式は曲げによって層状岩盤の場合に発生するものである.一般的に主動型たわみ性トップリング破壊がよく知られており,たわみ性トップリング破壊は一般的に重力,水力および地震力によって生じる.主動型たわみ性トップリング破壊と別に地震力や氷河あるいは表層部の風化岩盤による上載荷重によって受動型のたわみ性トップリング破壊をすることがある.この現象は地質および地形学の研究者の間で斜面のクリープとして呼ばれていたが,Aydanら(1988)はその解釈が間違っていることを指摘し,受動型たわみ性トップリング破壊として解釈すべきことを表明した.受動型たわみ性トップリング破壊は氷河あるいは風化層の与える影響よりも地震力によって発生することが多いと思われる.本研究で振動模型実験機を用いて地震力を受ける岩盤斜面の受動型たわみ性トップリング破壊のメカニズムを実験的に検討した.最初に単独のブロックについて実験,その後斜面について模型実験を行った.また,既存の解析法とその適用性について考察した.