2009 Vol.7 No.3「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2010年01月30日発行
スティック・スリップ現象に関する実験的および
解析的研究と地震学・地震工学的考察
太田良巳・藍檀オメル
要 旨
地震は断層の密集している地域において規則的な時間間隔あるいは不規則な時間間隔で繰り返し発生する.断層のような不連続性岩盤の接合面やクラックなどでせん断運動中におこる運動と応力の蓄積を繰り返す現象はスティック・スリップと呼ばれる.既往の室内試験の結果においてすべりの性質として一定の時間間隔で発生することが確認されている.繰り返し発生する地震とスティック・スリップは同様の現象であると考えられる.本論文ではスティック・スリップ現象と繰り返し発生する地震を室内実験および工学的なモデル化により関連づけた.
傾斜機能を有する底面摩擦実験装置を用いた室内実験では,プラスチックブロックおよび琉球石灰岩ブロックを用いたスティック・スリップ実験を行った.ばねの剛性が大きくなる,または移動速度が速くなるとすべりの周期は短くなることが確認できた.この結果は解析的な検討でも確認することができた.