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要 旨 |
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連続な関数f(x)の定積分により定義された関数は,微分可能であり,その導関数は元の関数のf(x)になります.つま
り,リーマン積分により定義される関数は,積分される関数の理論的な不定積分です.これは微分積分法の基本定理と呼ばれ
る解析学の基本的な事実ですが,この事実の高次元への拡張も当然考えられています.たとえば,ルベーグは,一般のn 次
元のユークリッド空間において定義されたルベーグ積分可能な関数に対してこの基本定理を拡張しています.それとは別に,
微分を全微分として捉える観点からの高次元への拡張が考えられており,Poincare’の補題として,多様体上の微分形式を対
象とするところまで拡張されています.しかし,この拡張はルベーグによる解析的な拡張とは違って,代数的な色彩が強くな
ります.そして解析的な部分はやはり古典的な1次元の基本定理に基づいています.このノートは,この古典的な定理を,自
分なりの証明をつけながら,再考してみようという試みです. |
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