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要 旨 |
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量子力学の非決定的時間発展と,その系の物理量測定に関する実験事実の解釈としてH. Everettによって創められた 量子力学の多世界解釈について論じた.いわゆる波束の収縮,と呼ばれる現象はEverettの量子力学には登場しないが, その代わりに我々にとって一つに見える現実世界が実は多数の異なる世界の重ね合わせの状態として表現される,というのが多世界解釈の基礎だが,ではなぜ我々は一つの現実世界を共有できるかについて,マクロな変数は我々の経験上古典 論理に従うこと,一方真に量子力学的な変数は決して古典論理に従わないことに注目して論じた.現在盛んになってきているメゾスコピック系での量子性が顕著に現れる実験によってはEverett解釈と波束の収縮による解釈の優劣がはっきりする可能性があることを指摘した. |
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