2008 Vol.6 No.1「海ー自然と文化」東海大学紀要海洋学部  2008年03月31日発行
アナログ方式表層音波探査装置のディジタル化
西村清和・佐柳敬造・長尾年恭・村上文敏・上嶋正人・高遠美好
要 旨
海底下浅部の地質構造を探査する表層音波探査装置では,いまだに,アナログ記録方式の探査装置が使用されている.ディジタル方式表層音波探査装置はアナログ方式のものに比べ,種々の利点がある.本研究ではアナログ方式の底質探査装置SH-20(千本電機製)のディジタル化を試みた.受信信号のディジタル収録には,高周波のサンプリングレート(62.5kHz max.)を備えるサブボトムプロファイラ(SBP)用デジタイザ「SonarWiz.SBP」(Chesapeake Technology,Inc.製)およびWindows ノートPC を使用した.底質探査装置,SBP 用デジタイザ,ノートPC およびDGPS 受信機を組み合わせてアナログ/ディジタル方式表層音波探査システムの構築を行った.海域実験は東海大学の小型調査船「北斗」(20トン)を使用し,清水港〜三保半島沿岸域において,ディジタルおよびアナログでデータ収録を行った.その結果,ディジタル記録はアナログ記録に比べ記録の分解能が良好であることが明らかになった.